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岡詩子さん(「つるた街プロジェクト」代表)

鶴田が好き過ぎてしょうがない仲間と、
地元目線で、街の魅力をゆる~く発信

白いシャツに黒のパンツ。そして、頭には真っ赤なニット帽。まるで、丹頂鶴のようなカラーを身にまとった若者たちが、町じゅうの「鶴」を探しながら楽しく街をガイドする。その名も、「つるた街歩きツアー 鶴をたずねて三千歩」。主催は、鶴田町民有志で結成した団体「つるさんぽ」。中心となってツアーガイドを務めるのは、鶴田町に住む20~30代の若者や主婦らで結成した「つるた街プロジェクト」。通称「つるプロ」のメンバーだ。

「鶴田には、おもしろい人や地味にヘンな人、モノ、コトがいっぱいあるのに、知られていないのはもったいない!日ごろからそう感じていた鶴田のことが好き過ぎてしょうがない仲間8人と、鶴田の魅力をゆる~く発信していこうと、2012年に結成したのが『つるプロ』です」。

そう語るのは、つるプロ代表の岡詩子(おか・うたこ)さん。往年の銀幕スターを彷彿とさせる美しい響きだが、れっきとしたご本名!トレードマークのボブの前髪がさらさらと動くたび、大きな瞳がくるくる。少年のように華奢な体のどこにそんなパワーが潜んでいるのかナゾだが、ここ数年、鶴田で湧き起こっている若者発のムーブメントの源流をたどると、たいていこの方がからんでいる。

Tsuruta街プロジェクト(岡詩子さん)

つるプロ代表の岡詩子(おか・うたこ)さん。

鶴田ファンを増やすために
さまざまな仕掛けを考案

『つるプロ』のメンバーは、現在22人。フェイスブックを活用して、決してガイドブックには載らないような鶴田のニッチな情報を町民目線で発信したり、若者向けのフリーペーパー『つmap』を発行したり、商店街の空き店舗を活用したクラフトイベントなどを開催している。富士見湖パークの「鶴の舞橋」などを会場に行われた「星空のキャンドルナイト2015 in tsuruta」では、若者を中心に約500人の来場者を動員した。

また、町内いたるところにある鶴のモチーフやオブジェを、フェイスブックで紹介している。

「“私たち調べ”(笑)では、現在約600個の鶴を数えましたが、実はまだまだあるんです。いったい、どんだけあるんだ~!!って、ツッコミを入れたくなりますが、そのこだわりこそが、この街のおもしろさ。特産品のスチューベンはツル植物で、のどごしツルッとしてるし、頭がツルツルの方達がユニークな活動を行っているし(笑)。ほかにはない、この街ならではの魅力を私たちなりに発信して、『鶴田ってなんかおもしろそう、なんだか理由はよくわからないけど、鶴田が好き』と、思ってくれるファンを一人でも増やすために、いろんな仕掛けを考えています。だって、嫌いになるのには理由はあるけど、好きという感情には理由がないでしょ。もはや、本能レベル!だから、本能に訴えたら勝ちじゃないですか~(笑)。」

鶴田街あるき隊 つるさんぽ

『鶴田街あるき隊 つるさんぽ』。鶴田町の魅力を紹介。

ツル多はげます会

ツル多はげます会』。”世界を明るく照らす”ユニーク活動を行っている。

自分なりの『好き』を
とことん追求して

鶴田町で生まれた岡さん。「昔から、自分がイメージできることはとことん突き詰めるけど、イメージできないことは、さっぱりダメ。そりゃあ、変な子でしたよ~」と、幼少期を振り返る。
小学生のときに、精神科医が活躍するドラマを観て心理学に興味を持った。「同じ物を見ても、とらえ方によって全然違う。たとえば、テストで70点だったとして、『70点しか取れなかった…』と落ち込むか、逆に『あと30点取れる。のびしろがある』と、前向きにとらえるか。心のありようで、同じ現実が違うものになる。まさに、“世界は、その人の心ありきで、できている”んだなって。人の心って、超おもしろい! もっともっと知りたいと思いました」。

昔から物づくりが大好きだったことから、現在はハンドメイド作家としての顔も持つ。

昔から物づくりが大好きだったことから、現在はハンドメイド作家としての顔も持つ。

陸奥鶴田駅から程近い、お洒落なビルの2階に岡さんのアトリエがある。扉を開けると、古家具やレトロな古道具がセンス良く並べられ、まるで雑貨ショップのような空間が広がる。
「どうぞ、はおってみてください」と、手渡されたストールをまとうと、ふわりと空気を含んだ生地が心地よく肌になじみ、顔のまわりに優しいニュアンスが生まれる。
美しいブルーのシリーズは、青森市に工房がある「あおもり藍」で染めてもらったもの。「あおもり藍」は、従来の藍の常識をくつがえすカラーバリエーションが人気を呼び、国内外のデザイナーから注文が寄せられる「青森ブランド」。宇宙飛行士の山崎直子さんの船内着にも採用されたことでも知られる。

「糸が織りなす質感や風合いはもちろん好きですが、麻の素晴らしさは、洗っては乾かしてと自分好みの硬さに調整できること、育てていけるところ。麻は生き物ですから、どんなふうに変化していくかは、もう神の采配ですよ! あ、すみません・・・。私、麻の話をすると止まんなくてヤバイんです。麻が好き過ぎて、みんなから変態っていわれてますから(笑)」。

岡詩子さんのオリジナルブランド『ハンサムリネンKOMO』のアトリエ。

岡詩子さんのオリジナルブランド『ハンサムリネンKOMO』のアトリエ。

ハンドメイドのストール。美しいブルーは『あおもり藍』で染めたもの。

ハンドメイドのストール。美しいブルーは『あおもり藍』で染めたもの。

子どもたちが、30年後も
この街に住みたいと思える場所に

2015年春には、鶴田の12組のハンドメイド作家に声をかけ、商店街の空き店舗などを会場にクラフトイベントを開催した。「鶴田は多才な人が多いので、布ぞうりやパッチワーク作品を手がけるおばあちゃんたちにも、若い作家と一緒に出店してもらったんです。世代間の交流が生まれただけでなく、イベントを機に作品を委託販売してくれる店ができるなど、街と人との広がりも生まれました。一人暮らしをしているおばあちゃんのお宅も借りたんですが、『久々に若い人たちの声を聞いて元気が出たよ。ありがとう』と言ってくれて。もう私、泣きそうでした・・・」。

活動を始めた当初は、「若者たちが、何かやっているという空気を街のなかにつくること」を目標に掲げていたが、活動を重ねるにつれて、「この街は、好きなことができる場所だという空気をつくること」に、少しずつシフトしていったという。
「最近、つるプロメンバーは出産ラッシュなんですよ。今、生まれた子が、30年後にも鶴田が好きで、この街に住みたいと思える空気をつくるお手伝いができればうれしい。個人的にも鶴田の若者の夢を応援していく大人でありたいし、つるプロもそんな存在であり続けたい。好きなことを楽しくやるのが一番!それが、元気のエネルギーですから」。

天性のみずみずしい感性と、タフなエネルギーが、今後どんな形で放たれるのか。また、仲間との化学反応によって、どんなふうに増幅していくのか。ものすごく楽しみだ。

つるた街プロジェクトメンバーで企画・開催している『星空のキャンドルナイトin TSURUTA』

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