鶴が運んでくる、ささやかな幸せ
めでたい鶴づくし鶴田町
駅舎に、ポストに、マンホール。
このまちでは、鶴たちが思い思いの場所で、イカしたポーズをきめている。頭上の鶴に気をとられていると、道端にかくれていたりと、実にお茶目で神出鬼没!鶴をさがしながら街歩きが楽しめるこのまちは、さながら鶴の野外博物館のようだ。
鶴のモチーフを探そう!
鶴は古くから長寿を象徴する吉祥の鳥として、画題や詩にも詠まれてきた。また、夫婦仲がよく、子どもを可愛がることから、縁を結ぶおめでたい生き物として祝いの意匠にも登場する。
丹頂鶴自然公園の鶴
江戸時代、多くの鶴が飛来したことから町名にその名がついたという鶴田町。めでたい鶴づくしのこのまちで、オブジェではなく本物の鶴が見られるのが、津軽富士見湖畔にある丹頂鶴自然公園である。
平成24年5月には、4年ぶりにひなが誕生した。
オスの鶴平(6)と、メスのロッシー(14)の間に生まれた卵からふ化した、生粋の鶴田っ子だ。
年の差婚を乗りこえて誕生したベイビー。仲むつまじく寄り添う親子の姿をみていると、なんだかほのぼのと温かいきもちになってくる。
目のまえに、豊かな水をたたえる湖があって、空があって、山があって。そして、一緒に鶴を見るひとがいて。
鶴は、やっぱり私たちに幸せを運んでくれる鳥なのだ。大それた幸せでなくても、ささやかな幸せがあれば、明日を生きていける。そんなことに気づかせてくれる、ほっこりと気持ちの良い昼下がりである。
丹頂鶴自然公園
津軽富士見湖のほとりにある丹頂鶴自然公園では、国の特別天然記念物に指定されている丹頂鶴を、柵越しに間近で見ることができます。平成5年に中国黒竜江省より2羽を譲り受け、平成9年にはロシア連邦アムール州より、つがいを譲り受けました。現在では、鶴田町で産まれたものや多摩動物公園から借り受けた丹頂鶴が飼育されています。
また、公園内のホタル池では、平成19年から地元の小学生が、ゲンジボタル、ヘイケボタルの幼虫、ホタルのえさとなる巻き貝「カワニナ」の放流を行っています。美しい水辺とともに、7月にはホタルが舞う幻想的な光景も見られます。